一厘の秘密と仕組(大本教の神典)

『霊界物語』に記された「一輪の秘密」と「一輪の仕組」

日月神示に預言された、神の「一厘の秘密と仕組」をお伝えした。
この日月神示には、「神の救いの計画」を成就するための、秘策が述べられている。それは〖神の秘策〗のところで、あらためて紹介するとして、次は大本教の神典に預言された「一厘の秘密と仕組」についてお伝えしよう。
それは、「はじめに」で述べたように、暗号者は契約の箱「アーク」を、「約束の地」に隠したことである。
このことに、気づいたのは大本教の神典、『霊界物語』に目を通した時だった。
ある時、大本教の関係者から、出口王仁三郎の『霊界物語』が電子テキスト化され、インターネットで配布されていることを教えられた。
著作権法では、著者の死後50年までは権利を保護しているが、それ以降は権利がない。だから、許可なく、著作物を配布することができるのだ。
『霊界物語』を配布されたのは、飯塚弘明氏である。教えられた画面を開くと、大きな項目がパソコンの画面に浮かび上がってきた。

見ると、81巻ある。印刷された「本」では、83冊になるらしい。というのは、64巻が上・下で2冊、番外編として「入蒙記」(王仁三郎がモンゴルに行ったときの話)が1冊入っているからである。文字数は、なんと『聖書』の5倍もあるというのだから、相当な量だ。
とりあえず、第1巻の目次を開いた。
するとそこに、「一輪の秘密」と「一輪の仕組」と書かれた章(35章と36章)があるのだ。
ところで、ここに記したように、「イチリン」の「リン」という字は「厘」ではなく「輪」と書かれている。この違いは、後に、出口なおの「お筆先」をまとめた『大本神諭』を見てわかった。
『大本神諭』には、「神の申した事は、一分一厘違はんぞよ」(明治25年旧正月)や、「九分九厘まで知らしてあるが、モウ一厘の肝心の事は、判りて居らんぞよ」(明治25年旧正月)などのように、「一厘」という文字も使うが、別のところでは「…日の本に只一輪咲いた誠の梅の花の仕組で…」(明治32年旧7月1日)とあるように「一輪」という文字も使う。
つまり「一輪の秘密」「一輪の仕組」の一輪は、一厘(1%)ではなく、「一輪の花」の一輪なのである。
だが私は、『霊界物語』の「一輪の秘密」「一輪の仕組」というタイトルを見た時、「太陽の暗号」のところで述べた、「三輪」(=サンワ)すなわち「3つの円」の暗号に使用された「輪」という文字を連想した。そして、この「輪」の文字は、「一輪の秘密」と「一輪の仕組」が秘密結社「ヤタガラス」の暗号と関係があることを、暗示しているように感じたのである。
後で明らかにするが、この時の直感は正解だった。
それはともかく、『霊界物語』に記された「一輪の秘密」を紹介しよう。
次に示しているのは、35章の「一輪の秘密」から、重要なところだけを抜粋したものである。

「…世界の終末に際し、世界改造のために大神の御使用になる珍の御宝である。しかしてこれを使用さるる御神業がすなわち一輪の秘密である。…」

「一輪の秘密」とは「終末」、すなわち地球の「崩壊と再生」の時に、大神が世界改造を行うために「神宝」を使用することだというのである。
次に36章の「一輪の仕組」を開くと、そこには、次のように記されている。

「国常立尊は邪神のために、三個の神宝を奪取せられむことを遠く慮りたまひ、周到なる注意のもとにこれを竜宮島および鬼門島に秘したまうた。そして尚も注意を加えられ大八洲彦命、金勝要神、海原彦神、国の御柱神、豊玉姫神、玉依姫神たちにも極秘にして、その三個の珠の対のみを両島に納めておき、肝腎の珠の精霊をシナイ山の山頂へ、何神にも知らしめずして秘し置かれた。これは大神の深甚なる水も漏らさぬ御経綸であって、一厘の仕組とあるはこのことを指したまへる神示である。…」(36章のタイトルの「一輪の仕組」の「リン」は「輪」の字が使用されているが、ここでは、「一厘の仕組」の「リン」は「厘」の字が使用されている。紛らわしいので、これ以降は「リン」=「厘」で統一することにする)

国常立尊は「三個の神宝」を邪神に取られてはいけないので、周到に注意して竜宮島および鬼門島に隠した。だが、その神宝は精霊の抜けた形だけのもので、肝腎の神宝の精霊は、誰にも言わずにシナイ山の山頂に隠したというのだ。
これが、大神の水も漏らさぬ御経綸であり、「一厘の仕組」だというのである。
先の「一厘の秘密」とあわせると、

「終末に、大神が世界改造を行うために使用する『神宝』は、邪神に奪われてはいけない。そこで、肝腎の神宝の精霊は、誰にも言わずにシナイ山の山頂に隠し、精霊の抜けた形だけの神宝を、竜宮島および鬼門島に隠した」

このような内容になるが、この時私は、ここにいう神宝とは、失われた「契約の箱アーク」のことだと思った!?
神宝で連想するのは、何といっても、スティーブン・スピルバーグの映画『レイダーズ』で有名になった「契約の箱アーク」である。この「契約の箱アーク」には強力な破壊力があるように、『レイダーズ』で描かれていたが、それはまさに、世界改造の神宝に相応しい。
確信を持ったのは、シナイ山とうキーワードである。
シナイ山といえば、預言者モーゼが、神から十戒を授けられた山である。この十戒を刻んだ石が納められているのが、「契約の箱アーク」なのだ。
神の「一厘の秘密と仕組」と「契約の箱アーク」には、何らかの関係があると思われる!?