自給自足のコミュニティーモデル

地球環境を分析すると、このままでは自然は破壊されつくされ、そう遠くない未来に、人類も生存できなくなる事態がやがて訪れることがわかった。
一方、日本の国家財政も危機的状況で、いつ破産してもおかしくない状態である。もし、国家が破産すればハイパーインフレになり、収入が増えないのに物価が高騰こうとうし、生活に困窮こんきゅうすることになる。失業でもすれば、それこそ収入がなくなり、国家が破産しているのだから、もちろん「生活保護」も受けられない。
貨幣経済を中心とする今のシステムにも多くの問題点があり、資本主義そのものが崩壊する危険性もある。
「備えあれば、憂いなし」とことわざにもあるように、近い将来に起こるかもしれない危機的状況に対して準備が必要である。
これから、その準備と「新しい時代」への提言を述べさていただく。
それは、お金がなくても生きていける体制、すなわち「自給自足体制」を整えることである。それは、自給自足の農村生活を意味する。
自給自足の農村生活と聞いて、おそらく皆さんは尻込みされているだろう。その理由は、「快適な生活ができない」と思われているからだと思う。
しかし、自給自足の農村生活を、快適な生活にする方法がある。
そもそも、人が生活する上で必要なものは、すべて地球の恵みであり宇宙の恵みである。
例えば、私たち日本人の主食である米は、稲という植物の恵であり、衣服も自然の中の植物や石油を合成したものである。同じように住宅も、自然の中にある木や鉱物を合成したものでつくられている。
たとえそれが、車でもパソコンであっても、すべての原料は自然の中にある。
要するに、私たちはすべてのものを、地球から無償でいただいているのだ!
地球もさることながら、資源も本来は誰のものでもない。地球に生存する全ての生物の共有財産である。
だから、労働対価を均一にして、人々が支えあい協力しあえば、お金がなくても需要と供給を満たすことができ、快適な生活をおくることができる。
具体的にいうと、例えば、農業に従事する人が、そのコミュニティー内のすべての人々に必要な食料を生産し、住宅に従事する人がすべての人々に必要な住宅をつくり、教育に従事する人がすべての人々の教育をするというような、需要と供給のバランスがとれれば、お金がなくても生活できる。
つまり、各自が与えられた自分の仕事をすること、すなわち労働によってすべてが満たされ、安心な生活が保障されるのである。仮に、体の障害や、病気などで仕事ができない人は、みんなで支えていけばいいのだ。
生活する上でお金が必要なくなれば、例えば教育費は必要ないので、誰でも等しく教育を受けることができる。一方、教育者は教育に専念することで生活が保障され、子どもたちにも喜んでもらえる。