一厘の秘密と仕組(大本教の神典)

国常立尊=鎮宅霊符神=世の元の神

さて、神道や神社関係者への認識にまで話は及んだが、ここで話をもとに戻す。
私は「原初三神」と「造化の三神」の神名は、暗号だと思っている。しかし、出口直や王仁三郎を否定しているわけではない。
「天之御中主」という神名は、暗号者によって創作されたものだが、それは、最高神を象徴している。同様に「国常立尊」という神も、暗号者によって創作された神だと思う。しかし、「国常立尊」は地球の主神であり国祖を象徴しているという、王仁三郎の見解を否定しているわけではないのだ。
先述したように、「艮の金神」は、香代子先生が甦らせた神々を示していた。それは、世界の創造を担当するために、暗号に示された「夏至の日の出」の場所(北東=丑寅)から甦る「世の元の神」である。したがって、「国常立尊」も、最高神とともに復活する「世の元の神」になる。
実は、それを示す興味深い説があるのだ。
それは、『日本超古代宗教の謎』(佐治芳彦著 日本文芸社)に記されていた。

「星神信仰で現在でもさかんなものに『妙見さま』というのがある。なかでも有名なのが『能勢の妙見さん』(大阪府能勢町)であろう。この妙見信仰は、古代以来の『尊星信仰』の流れをくむ。この妙見山(日蓮宗)は『寺院縁起』によると平安年間、その地の領主(能勢家)が『鎮宅霊符神』を祀ったのが始まりで、慶長年間に法華経を勧請し、以降妙見菩薩をまつる日蓮宗の寺となった。この『鎮宅霊符神』とは道教の神だが、それは日本では国常立尊だという。…」

ここで、注目して欲しいのは、鎮宅霊符神=国常立尊というところである。これが誰の説なのか知りたいが、残念ながらそれは記されていなかった。だが、古代史研究の大家である佐治氏が、思いつきや想像で述べているとは考えられない。そこには、確かな根拠があるはずだ。
ところで、鎮宅霊符神は〖神の正体〗で詳しく説明するが、香代子先生が甦らせた神である。それは地球の「崩壊と再生」の時に、地球改造を行うために最高神と一緒に甦る「世の元の神」なのである。
そこで、仮に鎮宅霊符神=国常立尊とすれば、国常立尊は地球の「崩壊と再生」の時に甦る「世の元の神」となる。
いずれにせよ、大本教の「艮の金神」(国常立尊)は、香代子先生が甦らせた神々と同系列の、「世の元の神」だと言ってもいいだろう。