霊界の王、地現菩薩との出会い
この日の瞑想によって、天上界の修業は終わったと告げられたが、先生自身はまだ70パーセントしかで出来上がっていないと感じていた。
「あとの30パーセントはなんだろう?」気になって仕方がなかった。
その様子を見ていたご主人の卓巳先生は、「神の世界」への探訪の記録に目を通した。すると、大元帥明王という神のことが目に止まった。というのも、大元帥明王のことが高熱の為に中断して、未完成だったからである。
卓巳先生が「大元帥明王のことではないか」と言うと、
「ああそのこと、そのこと、地天界のことだった。どうして今まで、そのことがわからなかったのだろう」と、香代子先生は笑って答えられたのである。
前述したように、「神の世界」には、「天上界」「地天界」「三界」の3つの世界がある。大元帥明王は「地天界」の神で、香代子先生が気になって仕方がなかった残りの30パーセントは、「地天界」のことだったのである。
ご主人がもう一度、「神の世界」への探訪の記録に目を通すと、龍神大神の、次の神示(昭和43年9月)に目が止まった。
弥生催す よもの日に 君の心の 救いありしき
「弥生とは3月のこと!?今日は3月9日」
卓巳先生は今日のことだと感じ、香代子先生に、地天界を訪ねるように提案したのである。
すると香代子先生は、「やはり、時がこなければ駄目だったのですね。座りましょう」と言って、神前に座したのである。
昭和55年3月9日
14年前と同じように、香代子先生はご主人の卓巳先生の介添で、「地天界」への探訪をはじめた。瞑想をはじめてしばらくすると呼吸が激しくなり、次にピタッと止まり、そのうち、呼吸が静かに戻ってきた。それから、約1時間、香代子先生は瞑想から戻った。
瞑想後、まず香代子先生は大黒天を呼び、地天界への道を教えてもらった。その道を進んだのだが、全身が圧迫されて苦しくなり、引き返そうかと思った。その瞬間、「呼吸を止めよ」という誰かの声を聞き、しばらく呼吸を止めると楽になり、一気に暗いところに到達した。
「ここが地天界かな」と思いながらじっと目をこらすと、奥の方にかすかに灯りが見える。その灯りに向かって歩いて行くと、道の両側に松明を持った人たちが並び、足元を照らしてくれている。
さらに進むと門があり、奥には寺院の様な建物が見える。門の扉を開いて入って行くと、寺院の中から右手に長い「鎌」の様な杖を持ち、左手に童神の手を引いた、一見、女神の様な方が立たれていた。
「どなた様でしようか」と尋ねると、
「私はこの霊界の一切を支配している、地現菩薩といいます。ここが霊界という所です。霊界の案内は後日に致しましょう。私の体を抱いてみなさい」
と言われるのである。
言われた通り抱いてみると、一見、普通の体の大きさに見えていたのだが、両手を一杯広げても、とても抱ききれないほどの大きな体をしておられた。
「私には、とても抱ききれません」と言うと、地現菩薩は、
「人を救うには、先ず見極めが大事です。誰彼なしに無駄をしないように。そして私に用を為す時は、この九字を切りなさい」
そう言って、九字のきり方も教示されたのである。
ちなみに、九字とは中国の道家により呪力を持つとされた、「臨兵闘者皆陣列前行」の9つの漢字である。これが日本に伝えられ、陰陽道、密教、修験道などで、主に護身のための呪文として行われた。この言葉を唱えながら、手で印を結ぶか指を剣になぞらえて空中に線を描くことで、災いから身を守ると信じられてきたが、ここで教えられた九字は空中に線を描くものである。
ちなみに、香代子先生は地現菩薩だけでなく、多くの神々から直接、様々な九字の切り方を教えられている。
さて、香代子先生は翌日から9月14日までの5日間、地現菩薩の案内で、霊界の隅々まで観てまわった。そして、霊界への近道も教えられたのである。
このように、死後の世界である霊界は地天界の中にある。
ちなみに、霊界は7層に別れていて、生前のおこないによって入る層が決められるらしい。生前のおこないがいいほど上の階層に入るのだが、3層半以上が、一般に極楽と呼ばれるところらしい。霊能者の本を読むと、霊界の上層界を「神の世界」と認識されている方がおられるが、それは霊界の一部であり、霊界も地天界のごく一部なのである。
ところで、先生が霊界で出会った地現菩薩は、仏教事典には載っていない。私は、本当にそんな神がおれるのか疑問に思っていたが、後に、エジプトの霊界の王「オシリス」の姿を見て驚いた。その姿は、地現菩薩とそっくりなのだ!
【地球改造と「神の救いの計画」】で説明したように、エジプトの神イシス=天地王大神(最高神)、ラー=72神だったが、このオシリスは地現菩薩と同じ神なのだ。
神々の世界の探訪を続けよう。