72神が神々の源流を証す!
この後、私はこの「鎮宅霊符神」が、先生の神々のルーツを証してくれると思い、この神を追った。すると、この「鎮宅霊符神」は道教だけでなく、ユダヤ教と関係の深い「カバラ」や、古代の中国やエジプトの神話にも残されていることがわかった。
それらをつなげることで、先生が甦らせた神々は、地球の「崩壊と再生」のたびに日本から甦る神々である、との結論に到ったのである。
ところで、この「鎮宅霊符神」は72の神々の合体した神で、そのお姿は亀と蛇が合わさった姿である。その様子を、【甦った神々】から次に掲載する。
昭和41年9月20日
太上神仙鎮宅尊生の神々(=鎮宅霊符神)が現れる。
多数の童子の姿をした神々が、天空より次々と現れる。数えると72体。
「どなた様ですか」と尋ねると「われら天の72光なり」と答えられる。
しばらくすると72体が合体して、亀と蛇の合体した姿に変化する。
ちなみに、古代中国の天文学・占星術では、亀と蛇の合わさった姿は「玄武」と呼ばれ四神の一神である。四神は天の四方を守護していると考えられていて、「玄武」は北の守り神である。ちなみに、東は青龍、西は白虎、南は朱雀が守護していると考えられている。
先述したように、私はこの72神を追っていた。
奇妙な偶然だが、『神々の指紋』の著者のグラハム・ハンコックも、「72」という数字に注目していた。彼は「星の暗号」を発見するうえで、無くてはならない研究をしてくれた人物である。
「星の暗号」は、古代文明に刻まれた2つの時が重要な鍵を握っていた。それは、エジプトの三大ピラミッドに刻まれた「紀元前10450年」と、マヤカレンダーに刻まれた「2012年」である。この2つの時は、彼の『神々の指紋』の中で紹介されていた。この本を手にしなかったら、「星の暗号」は、永遠に発見されることがなかったかもしれない。
その『神々の指紋』(翔泳社)と、もう一つの彼の著書である『神々の世界』(小学館)に、神々のルーツを証すうえで「鍵」になる「72」のことが記されている。以下にそれを示そう。
世界中の神話で重要な数字は「72」であり、72の倍数(144、720)や72の半分の36やその倍数、72の3分の1の24とその倍数、72+36の108、108の半分の54などが神話によく使われている。これらの数字は、古代のシュメールやバビロン、ヴェーダ時代のインド、古代エジプト、古代ギリシャ、古代中国、中米のマヤ、旧約聖書のヘブライ人、ほか多くの文化に現れるというのである。
彼はこの72という特別な数字と、世界の聖地とのつながりも発見した。
例えば、エジプトのギザのピラミッドとカンボジアのアンコール寺院は、経度でいうと72度離れていて、ミクロネシアのポナペはアンコールから経度で5
4度東にあり、イースター島はアンコールから144度進んだ地点に最も近い陸地である。
仮にエジプトの三大ピラミッドを、子午線(現在のグリニッジではなく)、すなわち地球の地図上の「世界の座標軸」だと仮定すると、アンコールは東経72度に位置することになる。そこには、古代文明の鍵になる「72」という数字が浮かび上がってくる。ちなみに、〖秘密結社「ヤタガラス」の2つの暗号〗のところで、「世界に計画的に建設された天文観測所」の存在を明らかにしたが、それは、エジプトの「大ピラミッド」が古代の子午線であることを示している。
それはともかく、グラハム・ハンコックは、これらの石を使った多くの建造物は、「失われた文明を伝えた集団」によって、計画的につくられたのではないかと考えたのである。というのも、古代のインド神話に、地球規模の大洪水後に生き残った者たちは、新時代に「一つの機関」あるいは「結社」によって古代の知識を再び広めたことが、記されているからである。(『神々の世界』グラハム・ハンコック参照)
ともあれ、グラハム・ハンコックは「失われた文明」を追うことで、古代の世界中の、あらゆる神話体系や宗教体系の文献に登場する「72」という特別な数字を発見した。彼はこの数字を、「失われた文明」を解明するうえで、「鍵」になる重要な数字であると考えていたのである。
先に述べたように、私は「72神」を追っていた。
それは、「神々のルーツ」を明らかにするためである。つまりそれは、先生が甦らせた「72神」を含む神々の教えが、現代の世界の主だった宗教の源流に流れていることを確認するためである。
場所も動機も異なるが、私と彼は、「72」という数字に注目していた。
奇妙な偶然だが、そのグラハム・ハンコックを、私は、日本の縄文遺跡の「三輪山」周辺に案内させてもらったことがある。
彼は『神々の指紋』を執筆後、日本の縄文遺跡に「失われた文明」の痕跡を発見した。それは、沖縄県八重山郡与那国島の海底遺跡である。
与那国島は八重山諸島の西端、台湾の北東に位置する日本最西端の島だが、この島の近くの海底で、間違いなく人口的と思われる、テラス状の構造物や運河が発見された。それは海底に沈む前に、桟橋として使用されていた可能性があると、研究者に指摘されている。
そこで彼は、鈴木旭氏の案内で、日本の主だった縄文遺跡を探索したのである。その際、私は鈴木氏から、「三輪山」周辺の案内を依頼されたのだ。
私が72神を追ったのは、鈴木氏の本がきっかけだったが、もう一人「72」という数字を追っていたグラハム・ハンコックを、日本の縄文遺跡に紹介したのも鈴木氏である。ご縁の不思議を、つくづく感じる!?
72は仏教でも重要な数字だった!
それはともかく、「72」に戻ろう。
グラハム・ハンコックの『神々の指紋』に、インドネシアのジャワのボロブドゥール遺跡の72の仏塔のことが記されている。
この遺跡は大規模な石造の仏教遺跡である。建造はシャイレーンドラ朝の780年にはじまり、792年に一応の完成を見たと考えられている(後に増築が行われた)。その構造は一番下に一辺が115mの屈折した方形の基盤があり、その上に5層の方形壇、さらに3層の円形壇があり、全体で9層の階段ピラミッド状になっている。
この72の仏塔(ストゥーパ)の中には、仏像が納められている。
ボロブドゥールは仏教遺跡である。しかも、72の仏塔の中には仏像、すなわち神が安置されている。それは、仏教と72神の密接な関係を、雄弁に物語っている!!
72神はユダヤのカバラの教えの中にも残されている!
グラハム・ハンコックの『神々の指紋』には、カバラと「72」の関係も記されている。
「ユダヤのカバラでは72人の天使が出てきて、その天使たちを通じてセフィロス(神の力)に近づき、またこれを呼び出すことができた。これは天使の名と数字を知るものによってなされた」(『神々の指紋 上』)
この記述に、私は非常に驚いた。
というのも、このカバラの教えは、先生の教えと一致するからだ!
私は先生から、「聖人は72神を対象に修行をして、神の妙法を得たのですよ」と教えられていた。神の妙法とは神の力のことである。
どうして、カバラの教えと先生の教えが一致するのか?
その理由を述べる前に、カバラについて簡単に説明しておこう。
カバラとはユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義である。独特な宇宙観を持っていることから、しばしば仏教の神秘主義である密教との類似性を指摘されることがある。
カバラとは「受け入れ」「伝承」を意味する言葉だが、カバラが登場する以前は、単に口伝律法を指す言葉として用いられた。だが、その後、ユダヤ神秘主義を指す呼称となった際に、個人の独自の体験した神秘主義というよりは、神から伝授された智恵、あるいは師が弟子に伝授した神秘という意味で用いられるようになった。
カバラの起こりは、伝説では、アブラハムがメルキゼデクから伝授された天界の秘密だとも、モーゼが律法(トーラー)に記しきれなかった部分を口伝としって後世に伝えたものだともいう。しかし実際は、3世紀から6世紀にはじまり、16世紀頃にほぼ現在の体系が完成されたと考えられている。(ウィキペディア百科事典より)
以上が、ウィキペディア百科事典のカバラの説明だが、注目して欲しいのは、カバラは神から伝授された教えであるとう点である。先に、72神についての先生の教えを述べたが、それも、神から直接教えられたものである。
つまり、72神についての両者の見解は、どちらも神から授かったものなのだ。その両者の見解が一致するということは、両者の「神の世界」は同じ世界ということになる。
先に述べたように、私は宗教によって「神の世界」は異なるものだと思っていたが、先生の神々のルーツを求めるようなってからは、宗教によって「神々の世界」が異なるのは、おかしいと思うようになった。世界の主だった宗教は、同じ一つの「神々の世界」から降ろされた教えだと、考えるようになったのである。
その証拠が、先に見た、仏教とユダヤ教のカバラの「72神」という共通項だ。
だが、これだけの証拠で、それを断言するのは早すぎると思う。私自身もこのことを確信するのに、多くの証拠が必要だった。
そこでこれから、72神と世界の主だった宗教との関係を見ていくことにする。