ノストラダムスの預言と「神の計画」

次の預言詩も、日本の荒廃を警告している。

「すべて恵まれているところ、とてもうまくいっているところ、日の国と月よ
豊かに満ち溢れているところ、その荒廃は近い
おまえの幸福を虚しくするものがまもなく空から襲う
 同じ国の中に 7番目の暗礁も来る」(5-32)

この預言詩の7番目の暗礁とは、『ヨハネの黙示録』からの引用である。
ヨハネは終末の前に7人の破滅の天使が空に現れ、災厄が天から地に降りると預言している。7番目の暗礁とは、気象の激変や大地震を含む天変地異を意味する。豊かで恵まれている「日の国」と「月」は日本と欧米を指すので、それらの国々が天変地異よって荒廃するという意味になる。
しかし、先述したように、ノストラダムスは「崩壊」と同時に、「再生」の預言も残している。
それでは、再生のシナリオを見てみよう。

「日の国の法と金星の法が競いあう
予言のエスプリをわがものとしながら
双方互いに耳を傾けないが
大きなメッシーの法は日の国によって保たれる」(5-53)

日の国とは日本を指す。
金星とは「明けの明星」や「宵の明星」と呼ばれるが、「わたし(イエス)は、ダビデのひこばえ、その一族輝く明けの明星である」(『ヨハネの黙示録』22-16)と『聖書』に記されている。つまり、金星は『聖書』の預言者のゼカリヤ、エゼキエルからイエス・キリストに受け継がれた、一連のユダヤ預言体系(『聖書』)を象徴しているのである。
法とは「法律・原理・道」などのほかに、中世の詩語や哲学用語として、「人間・生命・宇宙を貫く永遠の法則」といった意味があり、「エスプリ」とは才知という意味である。
したがって、この預言詩はつぎのような意味になる。
「金星の法、すなわちユダヤ預言体系が示す法則とは別に、新たな預言や法則が日本から生まれる。預言の才知を競いお互いに耳を傾けないが、宇宙を貫くメシア再臨の永遠の法則は、日本によって保たれる」
ノストラダムスは「大きなメッシーの法」、すなわち宇宙を貫くメシア再臨の永遠の法則は、日本によって保たれると預言している!!
ノストラダムス研究家の五島勉氏によると、この預言詩はノストラダムスの『諸世紀』の中で「メッシー」という言葉が入った唯一のもので、ヨーロッパのプロの研究家のあいだでは、絶対に知らせてはならないと、古くから言い伝えられてきたという。その証拠に、この詩は『諸世紀』から、度々削られて印刷されたらしい。
しかし、ノストラダムス本人は、「この詩を見た人は、それだけでも恵まれるようになる。4行目を声に出して読めば、いっそう幸運に恵まれる。詩の真の意味を知れば、さらに輝く人生を送れる。なにしろこの詩は、わたしが精魂を込めて書き、『大きなメッシーの法』につながっているんだからね」と、友人に話したという。(『ノストラダムスの大予言 日本編』祥伝社)
2つの暗号に刻まれた「神の計画」によると、地球の「崩壊と再生」の度に、「ミステリースポット」に現人神あらひとがみ(天照大神・最高神・メシア)が再臨し、この地上を原点の形、すなわち神の世界の「写し世」(神の世)に戻すというものだった。それはまさに、「宇宙を貫くメシア再臨の永遠の法則」である。
ノストラダムスは友人に、この預言詩は「大きなメッシーの法」につながっていると語った。それは、この預言詩が2つの暗号に刻まれた「神の救いの計画」につながることを、意味しているのではないのか!?
ならば、ノストラダムスは暗号者と同じように、「神の計画」を預かったことになる。私はこの預言詩で、ノストラダムスは真の「預言者」だと確信した。
彼は400年前に、現在の車社会、公害問題、クレジットカード、海外旅行ブームを預言した。彼の預言はヒトラーの名や第二次世界大戦の激戦地にも及ぶが、その通りになっている。
ノストラダムス預言の研究家スチュワート・ロブ氏は、第二次世界大戦中、彼の預言に基づいて連合国側とナチス側の戦闘経過と勝敗を予測し、90%以上的中させた。
彼はその体験から、「ノストラダムスはいつも、どんな事実についてもけっして間違った予言はしていない。ノストラダムスの予言が当たらなかったように見える場合は、それは解釈が間違っているからで、彼自身はつねに完全に正しい」と断言している。
このスチュワート・ロブ氏の発言からも、彼の預言は人為的なものでなく、「創造世界」(神々の世界)から預かった言葉を、忠実に表現したものと思われる。
ノストラダムスはフランスに住んでいたユダヤ人で、クリスチャンである。彼が日本を特別視する理由は何一つない。この預言によって、異端者扱いされるかもしれない。
ユダヤ預言体系(『聖書』)では、終末に救われるのはユダヤ人であり、「救い主」は「ユダヤの救い主」にならねばならない。ユダヤ預言体系や彼の立場を考えれば、「大きなメッシーの法はユダヤ人によって保たれる」と預言されるべきで、その預言は誰をも納得させるだろう。しかし、彼は「大きなメッシーの法は日の国によって保たれる」と預言した。