照心語録 – 厳選

船井幸雄

船井幸雄氏はコンサルタント会社の株式の上場企業の代表で、多くの企業や経営者をその目で見て、どうすれば、成功し楽しく生きられるかを長年研究されている。また、体験からの見解だけでなく、多くの先人の教えも研究している。それだけに説得力がある。

  • よい波動を発信しよう
    人間は存在した瞬間から、かならずなんらかの波動を発信しています。
    その人がとる行動、頭に浮かんだ思考は、それぞれ波動として独自の特徴を持っています。つねになんらかの個性を有した波動を発信し続けるのが人間ということともいえるでしょう。発信された波動、その人固有の特徴を備えた波動は、なんらかの影響を外界に与えます。それによって外界は微妙に変化するわけですが、実は外界自体も、人であれ物であれ固有の波動を持ち、それを発信しています。つまりみずから発信した波動によって、影響を及ぼし変化を遂げた外界の波動を、発信者はやがてかならず受け取ることになるわけです。よい波動とはどういうものかを一般的に説明しますと、粒子がより小さく、振動がより細やかな波動、ということになるようです。これを人間の想念に置き換えますと、肯定、喜び、楽しみ、感謝、愛、調和といった、プラスの思いと考えてまちがいないようです。世の中が波動構造になっていることは、想念レベルだけにとどまらず、物質レベルでももちろん同様です。
    発信すること、しかも良質な波動を発信すること、与えること、よいものを与えること、それは、媒体が思いであろうと物質であろうと、まったく同様だといえますし、とても大切なことです。
  • 本物とつきあう
    人生とは、自分が世の中に与えたものが、自分に返ってくるものといっていいようです。だから世の中によいものを与えなければ、自分がよくならないのです。人間は環境に左右される動物なので、悪い環境にあれば、どうしてもマイナスの影響を受けてしまいます。本物人間とつきあえば、当然その影響を受けます。物もできるだけ本物を身近に置いて使うことです。そうすれば、自分のモノサシが本物のレベルになります。なんでも本物を基準に測るようになるのです。どんどんレベルが上がってくるのです。
  • 自分にとって良くない出来事がおこったら、「何を教えようとして私のところにやってきたのだ?」と逃げずに問いかける
  • 上司のありかた
     正しく評価してほめてあげる。上がそうしないといけません。そうでない上司や経営者がいる会社では、下の人はさっさと辞めたほうが幸せです。部下には長所を見つけてほめてあげて、うまく力を引っぱり出してやると、その人はいっぺんにやる気になります。そうならないような仕事のしくみはいけません。自分の人間性をうまく引き出してくれない会社では、仕事をしないほうがいいのです。人間というのはどれだけ新しい経験を積むかです。会社のためにならなくてもいいのです。会社も大事ですが、一応二の次に考えてください。個人個人がいちばん大事だからです。個人個人の人間性を引き出せると、会社のためになり、それが会社の利益にもつながるのです。
    また、上司は部下に対して愛情を持ち、指導者にならなければならない。支配者になれば、部下はかならず逃げ出しはじめる。指導者というのは、自分よりも部下のことを優先して配慮し、意志決定をしたり、対応したりする上司のことであり、支配者というのは、この逆の態度をとる上司のことです。
  • やりたいことをやる
    良心が認めて、感性がいいと判断して、そして理性で考えてもいいと思うことは、よいことですから、どんどんやりましょう。直感力などと、難しく考えないほうがよいようです。理性と感性が一致するように生きることです。
    あわないときは、そのときはやめたほうがよいでしょう。迷ったらやめなさいというのは、そういうことです。迷うというのは、理性と感性が一致していないことなのです。自分の心が一番やりたい、ということを選んだほうがよいのです。
  • いやなことはやらなくていい
     自分の思っていることに反する行為をすると、なにかしら抵抗があるでしょう。悔やむこともあるかもしれません。そういうことは、やらないほうがよいのです。やりたいか、やりたくないかとまず考えて、やりたい気持ちが多かったらやりまよう。昔は、やりたくないこともやむをえずやりましたが、ろくなことがありませんでした。だから、やらないことにしたのです。
  • 迷うことはやらない。ワクワクすることだけをする。それが良心へとつながる。
    ワクワクすることだけをしていれば間違いがないのです。アタマで理屈をこね回すより、心の内側から湧き上がる思い、それこそが自分の行動を決める決め手と思っていいでしょう。アタマで考えて、いろいろ計算しようとすると、利害とか損得が気になって判断を誤ります。
  • したいことをする。気のすすまないこと、迷うことはしない。
    長所を伸ばすなら、当然、自分の気の向くこと、興味をもったこと、ワクワクすること、やって楽しいと思えることを続けていくことです。どんなに知識や知恵をふりしぼって努力したとしても、気のすすまないことを嫌々行っていたのでは、なかなか効率も上がりませんし、ミスも起こりやすくなります。反対に「好きこそものの上手なれ」とよく言うように、好きなことは知らず知らずのうちに努力できてしまうので、上達も早いものです。これが短期間で本物になるコツでもあるのですが、それは、自分の好きなことこそ自分の人生の目的、サムシング・グレートが与えた使命に合致しているからなのです。心理学では、人が何か物事に取り組もうとするときの動機を、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の二つに分けています。外発的動機づけは、「これをしないと叱られる」「これができないと昇進できない」といった外側からの圧力による動機づけであり、外部から与えられたモチベーションです。これに対して、内発的動機づけとは、「これをやると楽しい」「これが好き」というように、自発的に内から出てくるモチベーションです。前向きに物事に取り組むためには、外発的動機づけよりも内発的動機づけのほうが効果的であるとされ、また、そのほうが、成果も高まりやすいといわれています。一方、外発的動機づけで行うことは効率も悪く、成果も低いと言われています。要するに、内発的動機づけのほうが、格段に人間を成長させるというわけです。
    長所を伸ばすとは、要するに、内発的動機づけで生きるということです。
    好きなこと、得意なことをするときはいつも、自分自身からむくむくと取り組む動機が出てくるものだからです。ですから、気のすすまないこと、嫌なこと、迷うようなことは、できるだけしないことです。何事も自然体に反して行うと、無理が生じがちなのです。長所を伸ばすとなれば、楽しく生きることができます。その楽しい気持ちこそが、意欲を高めることに一役買い、自分を本物に成長させていくのです。
  • 目の前のことを一所懸命する
    目の前のことを一所懸命すること、自分の目の前に来たことを一所懸命やることです。そうやっていると、自分の使命も果たしていることになるし、よりわかってくることになると思います。自分の長所、得意なこと、したいこと、好きなことを伸ばすことです。反対に、欠点、短所、したくないこと、いやなことはなるべくやらないこと、それがコツです。それだけ知ってがんばればいいのです。
  • 「自分ブランド」が確立されたときこそ、自分の使命を果たすとき。