照心語録 – 厳選

まえがき

「照心語録」は「人としてのあるべき姿」や「生きるうえでの原理原則」、「徳」を磨くための教科書としてつくったものである。この「照心語録 厳選」は、その「照心語録」から、「重要な項目(様々な法則を含む)」を省き、それをさらに厳選したものである。
それしても私は、今、学ぶことの大切さをつくづく痛感している。
照心語録は、主に致知出版の「一日一言」シリーズから引用したものである。その「一日一言」シリーズを読んでいて、ドキットするようなことがたくさんあった。例えば、男と女の違いがはっきり記されていたのだ。
もちろん、60年近く生きてきて、男と女の違いは、おぼろげながらわかっていた。例えば、仕事で、システムをつくるのは私で、それを日々実行して運営してくれたのはお母さんだった。そこから、システムづくりは男に向いていると思っていたが、そこのことが、「易経一日一言」に、ズバリ書いてあったのだ。それを次に示す。

  • 乾道は男を成し、坤道は女を成す。乾は大始を知り、坤は成物を作う。
  • 「乾道」は積極・推進の陽の道で、男性的な性格を持ち、「坤道」は消極・受容・従順の陰の道で、女性的な性格を持つ。陽は始めを司り、陰は陽を受けて万物を生み育てるはたらきをする。システムを考え推進するのは男性が長け、それを受けて実用化し育てていくのは女性が長けている。陰陽は分けて考えるものではない。一対で大いなる働きを成すのである。

    以上のように、ここには、男と女の特徴やその違いがはっきり記されている。
    60年近い体験から、おぼろげに気づいていたものが、この語録によって明確になり驚かされた。この語録のすごさは、60年近い体験があるからわかるのであって、今、紳祐と栄太郎には、そのすごさはわからないかもしれない。
    だが、父の60年近い体験で、やっとおぼろげに気づいてきたことが、この語録を読むだけで、一瞬のうちに知ることができるのだ。
    今挙げたのは、ほんの一例である。この「照心語録 厳選」のは、びっくりするような素晴らしい教えがいっぱいある。
    もっと若い時に学んでおけばよかったと思うが、それは出来ないことである。だからこそ、紳祐と栄太郎には、ぜひ、若いうちから学んで欲しいのである。